福岡・北九州・大分・山口・佐賀

シロアリ豆知識

ヤマトシロアリ擬職蟻の階級分化

ヤマトシロアリ擬職蟻の階級分化のアイキャッチ画像

シロアリにも種類があることをご存じですか?
シロアリ駆除業者は、建物に侵入をしているシロアリの種の生態を理解した上で駆除を行っています。
また、シロアリ予防についても、お住いの地域のシロアリの被害・種の生息傾向によって対策方法を検討しています。

日本では、主に2種類のシロアリ、ヤマトシロアリとイエシロアリによる住宅被害がみられます。
発達したイエシロアリのコロニーは百万頭に達すると言われるほど非常に巨大な巣ですが、すべての通り道が一つの本巣に繋がっています。
イエシロアリの巣は1カ所に固定されているため、ベイト工法や構造体と侵入経路を把握した上で伝播性能の高い薬剤による駆除を行うことで巣を壊滅させることができます。

参考:・イエシロアリ駆除の方法-薬剤散布処理 ・イエシロアリ駆除の方法・ベイト工法

擬職蟻

一方で、発達したヤマトシロアリのコロニーは、イエシロアリと比べると数万頭程度の規模で少数の傾向がありますが、
職蟻の中には生殖階級に分化する能力(階級分化能力)を持つ、擬職蟻という階級の個体が存在します。
そのため、ヤマトシロアリはその加害箇所自体が巣と言われており、防除施工を行う場合には、作業者は住宅構造と家屋の劣化状況、侵入経路を十分に理解した上で駆除を実施しなければ、擬職蟻の階級分化によって巣が再生してしまうリスクが残ってしまいます。
また、ヤマトシロアリの被害状況によっては数回の施工が必要なことが考えられ、予め施主様と打ち合わせをしておく必要があります。

ヤマトシロアリでは50頭の職蟻から, コロニーは再生できる(参考:森本 桂,シロアリの生態,1965年)とも、25頭の職蟻から、コロニーは再生できる(しろあり対策協会 参考書)とも言われています。

擬職蟻
ヤマトシロアリの階級分化については、シロアリ駆除業者の中でも意見が分かれますが、
上の写真で少し頭が黒茶色がかって個体の大きなシロアリは、擬職蟻から副生殖階級へと階級分化したシロアリです。
当初の飼育環境下では、副生殖階級のシロアリは存在しませんでしたが、
100頭ほどに分断した職蟻の集団から階級分化をした副生殖虫の個体が現れました。社会性昆虫のシロアリは、生殖虫がいなくなると、それに代わる副生殖虫が置き換わりますが、ヤマトシロアリでは、擬職蟻から副生殖階級に階級分化して、巣を再生させることができます。

ヤマトシロアリのコロニーの再生の過程を観察していたところ、再生の初期では階級分化した副生殖虫がリーダーのような存在で先頭に立って、新たに営巣できる場所を探し、巣の再生を指示しているように見えました。
ほとんどの場合で階級分化する副生殖虫は一対だけではなく、複数頭が副生殖虫に階級分化します。

ヤマトシロアリの偽職蟻は、副生殖虫に階級分化し、先頭に立って積極的に新たな営巣場所を探す、複数の副生殖虫が誕生する、
シロアリ駆除の専門業者では、
このようなヤマトシロアリの特徴と対象現場の環境を考え、ヤマトシロアリのコロニーの再生を想定した防除対策を行っています。

カテゴリ:生態