梅雨の茶色い羽アリについて

イエシロアリの羽アリ

北部九州でもイエシロアリの羽アリが飛来するようになりました。
今年は梅雨入りが早かったせいか、5月下旬よりイエシロアリの羽アリが飛び立つお家も多く、例年よりも早く梅雨の羽アリの調査見積もりのご依頼がありました。

当社ホームページをリニューアルしたばかりですが、
最近ではホームページよりもお客様からお客様に伝わってのご紹介による依頼が非常に多くなり、
僭越ではありますが、当社の事業の方向性は世間様にご支持頂けているのかなぁと感じています。

さて、今日は梅雨の茶色い羽アリ、イエシロアリについてお話させて頂きます。

梅雨の羽アリ大量発生は早急に専門業者に調査を!

羽アリ
梅雨のイエシロアリの羽アリ
写真のように羽を落とす薄茶色の羽アリが梅雨の夜間に家の中の蛍光灯の周りを大量に飛んでいたら、イエシロアリ被害の可能性が高いです。
すぐにシロアリ専門の業者に調査を依頼して対策を行ってください。

その理由ですが、梅雨の羽アリ大量発生はイエシロアリ被害の可能性が考えられます。お家にシロアリが侵入をして柱や土台などを食べている可能性があるためです。
また、イエシロアリは建物全体に被害を及ぼすことができ、長期間放置しておくと、著しく居住の安全性に影響をすることがあり、その修復のための費用が高額になることがあります。

弊社では、シロアリ駆除業者への不安や不信から、羽アリ発生から何年もの間、シロアリ被害を放置されていたお家の駆除も多く行ってきましたが、
その度に、人生100年時代に「住」を維持するためのシロアリ対策の重要性を感じます。

参考:人生100年時代の「住」とシロアリ対策の重要性について

ここでは、その事例をいくつか紹介したいと思います。

イエシロアリ被害の「居住の安全性」と「ライフプラン」への影響

イエシロアリ被害
イエシロアリ被害
こちらのお客様宅では羽アリ発生から約6年間シロアリ被害を放置されていたそうで、
当社がシロアリ駆除を担当させて頂きました。
幸い、シロアリ駆除は順調に進み無事に終わりました。
駆除が終わって約2年後、シロアリ被害の影響による床の軋みやドアが閉まらないなどの不具合でお住まいの安全性に不安があるため、
お客様はあと20~30年くらい住めるようにしたいとのことで、地元の工務店さんに修繕を依頼されましたが、
足場を組んで、壁や床を解体し、柱や土台の交換、床の張替えなど約4ヶ月に亘る大規模な工事が必要となりました。
様々なリフォーム工事も含んでされていますが、結構な予算が必要となったのではないでしょうか。(1000万円以上?)

現役時代にかなり蓄えられているのか、余裕があるお客様でしたので、急な大規模工事の出費でも問題ないようですが、
私のような庶民には急に出せる金額ではありません。。

羽アリが大量に発生した時は、放置せずに、シロアリ専門の業者に調査・見積もりの依頼をされてください。
もしご不安な時は2~3社に見積もりを依頼して調査結果と見積もりの内容を比べてみると良いと思います。

尚、羽を落とした羽アリが数匹程度、床を這っているような状況の場合は、家の光に誘引されて外から羽アリが飛来して家の中に入ってきた可能性が高いです。
近所でイエシロアリが営巣していることが考えられますので、シロアリ対策を行っていない時は、対策を検討されることをお勧めいたします。

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非破壊型シロアリ調査

非破壊型シロアリ調査
非破壊シロアリ調査
非破壊型シロアリ調査
当社では状況に応じて非破壊型シロアリ調査を実施しています。
非破壊型シロアリ調査とは、マイクロ波(電磁波)を照射して、木材やタイル、コンクリート内部に動くシロアリを検知する調査方法です。

玄関の蟻道
玄関の蟻道(目視調査)
例えば、床下のない玄関からの侵入経路を特定する場合に用いることができます。

蟻害部を非破壊調査
蟻道付近を非破壊調査すると反応有り
蟻道がみられた箇所付近の枠木に非破壊検査機を照射したところ、中央に反応がみられました。

玄関上の階段を非破壊調査
玄関上の階段を非破壊調査すると反応有り
さらに、その侵入箇所に隣接した階段に非破壊検査機を照射すると、反応がみられました。
このように活用すると、シロアリは玄関から侵入をして建物上部へと道を伸ばしていることが推定できます。

ベイト設置箇所にレーダーをあてると
このような反応がみられるのは・・
こちらの写真は、畳の下に、シロアリの毒餌(ベイト剤)を設置して駆除している箇所にレーダーをあてている様子です。

ベイト設置箇所
シロアリの動きに反応しているためです。
このように、畳の下でシロアリ(物体)が動いていたため、レーダーが反応を示していました。

しかしながら、非破壊検査機「タームレーダー」を現場で生かすためには
シロアリ駆除の経験が必要です。

このような精密機器は様々なものにも反応を示すため、
何に反応しているのかを判断できるために
機械の知識だけでなく、シロアリ被害の現場経験が必要なのです。

したがって、
悪徳業者にこのような製品がわたると、
悪用をされてしまう(例えば、シロアリがいないのにいるといって営業をする等)ため、モラルと実績のあるシロアリ駆除の専門業者にしか販売されていません。

宿泊施設のシロアリ対策について

自然の中

宿泊施設内にあるレストランの内装工事中にシロアリ被害に気付かれ、シロアリ調査見積もりのご依頼のご連絡を頂きました。

約800坪の床下のない鉄筋コンクリート造りの建物でしたが、シロアリ調査を行った結果、

現在、ヤマトシロアリの被害がみられる場所の駆除と侵入経路の防除、また、宿泊施設でもあるためイエシロアリ対策を考えた施工をご提案し、工事を任せて頂きました。

窓枠のシロアリ被害
窓枠のシロアリ被害
風呂場に落ちている羽
風呂場に落ちている羽
ヤマトシロアリの羽アリ
ヤマトシロアリの羽アリ
シロアリ駆除施工
蟻害部のシロアリ駆除施工
シロアリ予防施工
カウンターのシロアリ予防施工
押入れのシロアリ防除施工
押入れのシロアリ防除施工
セントリコン
セントリコン(イエシロアリ対策)

こちらの施設では、ヤマトシロアリの駆除、予防を行う際に、1階部分のすべての壁の中にシロアリ防除薬剤を吹付ていますが、
壁の中は目視で確認できませんので、構造上、薬剤が回り切れない場所も考えられます。

一般的な住宅ではシロアリ調査を行うことで早期にシロアリ被害を発見することが可能なのですが、

こちらの宿泊施設は床下がなく蟻道形成によるシロアリの侵入確認ができないことから、定期的なシロアリ調査による早期発見が難しい建築構造です。

このような建物では、配管の隙間や経年で生じるコンクリートの亀裂からシロアリは侵入をしてきますが、予期せぬ場所からイエシロアリに侵入をされて食害が進行し、羽アリが大量発生してしまうと、お仕事や家族のリフレッシュのためにやってきた宿泊者様の休暇を台無しにしてしまいます。また、羽アリが発生する梅雨の間、宿泊所の営業ができなくなってしまいます。

そのような事態を確実に防ぐために、建物の外周にセントリコンを埋めておき、宿泊施設に近づいたイエシロアリの巣を駆除するための防除対策を行うことにしました。

このような床下での施工ができない建築構造の場合では、建物の外周にシロアリ防除薬剤の土壌注入を行うトレンチング(ロッジング)工法と呼ばれる施工方法もありますが、
2種類のシロアリの侵入の可能性がゼロとは言えないこと、自然豊かな環境の土壌微生物を殺すことを避けたいという2つの理由から採用しませんでした。

シロアリ業者に見積もりを依頼して失敗する例 – 外基礎断熱工法のお家編

特にシロアリ対策で気を付ける必要があることの1つに基礎断熱工法のお家があります。

基礎の外側で断熱材が地面と接地しているため、シロアリの侵入に気付くことが困難なことに加え、年中温かい環境であるため、シロアリにとっては格好の棲み処となりやすい特徴があります。そのため、シロアリ対策上は特に注意をしなければならない構造なのです。
しかしながら、見た目上は外基礎に断熱材が貼られてあると分からないため、見積もりを依頼したシロアリ業者が外基礎断熱工法だと気付かないことがあります。

先日、外基礎断熱工法のお家のお見積りに訪問した時に、

ご主人さんがすでに数社見積もりをとられていましたが、

何故か他の業者さんは通常の床下で薬剤を散布する施工方法の見積り内容でした。

内基礎断熱シロアリ調査

恐らく、床下に入ると内基礎断熱だったので、外基礎の断熱材の確認はしなかったのではないかと思われます。実は基礎の両側に断熱材のあるお家でした。

こちら様宅は、イエシロアリ被害の多発している地域でしたので、
外基礎断熱材からのシロアリの侵入を防ぐ対策を行う必要性が極めて高いお家でした。

というのも、イエシロアリは活動範囲が100メートルともいわれ非常に広く、一つの侵入経路から家全体に被害を拡げることがあります。基礎の内側からシロアリが侵入できないようにシロアリ防除施工を行っても、基礎の外側にある断熱材が無防備であれば、気付かない間にイエシロアリは家全体に加害を拡げることもできます。つまり、イエシロアリ被害の多発する地域にある外基礎断熱工法の家で、通常の内基礎からのシロアリの侵入対策のみを行っても、その施工自体が無意味と言えます。

外基礎断熱工法に対応するシロアリ対策は通常の施工より料金が割増しとなりますが、大切なお家をシロアリ被害から護るために、シロアリ被害、シロアリ対策についてしっかりと理解をし、納得をした上で工事を依頼しましょう。

 

 

イエシロアリの駆除について

フェニルピラゾール系のシロアリ防除剤は遅効性が高く殺蟻成分の伝播に優れているため、
イエシロアリのような固定巣を持つシロアリには特に有効です。

某薬剤メーカが行った試験によると、
シロアリが薬剤処理をした土壌面にシロアリを放虫したところ、
ネオニコチノイド系の2種のシロアリ駆除剤は40分以内でイエシロアリの試験個体がすべて動けなくなりましたが、
フェニルピラゾール系の某シロアリ駆除剤は試験開始から240分を経過した頃から試験個体の異常が現れ、すべての個体が動けなくなるまでに試験開始から360分の時間がかかったという報告データがあります。

以前であれば、細かな木材穿孔を行い、シロアリ駆除剤の注入を行い、イエシロアリを駆除する方法が行われていましたが、

シロアリの侵入経路を特定し、食害範囲を想定して、巣全体に薬剤を回すことで、最小の木材穿孔で確実にイエシロアリを駆除することができます。

戸畑区でのイエシロアリ駆除
侵入経路への薬剤処理
蟻害部の薬剤注入
蟻害部への薬剤処理
蟻害部の薬剤注入02
蟻害部への薬剤処理
蟻害部の薬剤注入03
蟻害部への薬剤処理
駆除後の蟻道

翌日の蟻道の様子です。職蟻が蟻道を修復できずにノックダウンしています。

もう一つ、イエシロアリに対して有効な駆除方法に、職蟻に脱皮ができなくなる薬を食べさせて巣ごと駆除する「ベイト工法」と呼ばれる方法があります。

イエシロアリ駆除 写真は、ベイト工法の着工から約3か月後、イエシロアリの兵蟻が餓死をした様子です。

イエシロアリのコロニーは、数十万頭から百万頭の数をも言われていますが、すべての通り道が一つの巣につながっており、
巣の中心の女王や兵アリは、巣の全体の9割を占める職蟻(しょくぎ)から餌を分け与えてもらっています。
職蟻が脱皮をできなくなり死滅すると、巣の中心の生殖階級のシロアリや兵蟻は餌を食べることができずに餓死してしまいます。