宿泊施設のシロアリ対策について
宿泊施設内にあるレストランの内装工事中にシロアリ被害に気付かれ、シロアリ調査見積もりのご依頼のご連絡を頂きました。
約800坪の床下のない鉄筋コンクリート造りの建物でしたが、シロアリ調査を行った結果、
現在、ヤマトシロアリの被害がみられる場所の駆除と侵入経路の防除、また、宿泊施設でもあるためイエシロアリ対策を考えた施工をご提案し、工事を任せて頂きました。
こちらの施設では、ヤマトシロアリの駆除、予防を行う際に、1階部分のすべての壁の中にシロアリ防除薬剤を吹付ていますが、
壁の中は目視で確認できませんので、構造上、薬剤が回り切れない場所も考えられます。
一般的な住宅ではシロアリ調査を行うことで早期にシロアリ被害を発見することが可能なのですが、
こちらの宿泊施設は床下がなく蟻道形成によるシロアリの侵入確認ができないことから、定期的なシロアリ調査による早期発見が難しい建築構造です。
このような建物では、配管の隙間や経年で生じるコンクリートの亀裂からシロアリは侵入をしてきますが、予期せぬ場所からイエシロアリに侵入をされて食害が進行し、羽アリが大量発生してしまうと、お仕事や家族のリフレッシュのためにやってきた宿泊者様の休暇を台無しにしてしまいます。また、羽アリが発生する梅雨の間、宿泊所の営業ができなくなってしまいます。
そのような事態を確実に防ぐために、建物の外周にセントリコンを埋めておき、宿泊施設に近づいたイエシロアリの巣を駆除するための防除対策を行うことにしました。
このような床下での施工ができない建築構造の場合では、建物の外周にシロアリ防除薬剤の土壌注入を行うトレンチング(ロッジング)工法と呼ばれる施工方法もありますが、
2種類のシロアリの侵入の可能性がゼロとは言えないこと、自然豊かな環境の土壌微生物を殺すことを避けたいという2つの理由から採用しませんでした。